高付加価値フィルムへのあくなき挑戦 開発秘話

高付加価値
フィルムへの
あくなき挑戦

開発秘話

当社では、研究・開発・営業の各チームがそれぞれの立場を生かして、また一体となって製品開発に取り組んでいます。ユーザーに接する機会が多い営業チームは、日常の営業活動の中からユーザーが欲しているニーズを敏感にキャッチします。それに対し、開発チームは主に既存の技術や製品等、当社が培ってきたノウハウをベースに、新製品のコンセプトを立案。いわゆるシーズを主眼に置いた製品開発を目指しています。

それらを、研究チームが具現化していくというシステムです。各チームにはその道のエキスパートが揃っているからこそ、型にはまらず、自由でかつ大胆な発想で開発に取り組める。これが当社の最大のカです。

レンジDo!
開発秘話

冷凍食品業界に旋風を起こした「レンジDo!」

1995年(平成7年)、冷凍食品業界に画期的な商品が誕生しました。袋のまま電子レンジで加熱調理できる『レンジDo!』を使用した冷凍食品が発売されたのです。

当時は利便性の高い調理済み食品へのニーズが高まっていた時代でした。中でも、冷凍食品は湯煎での温めに時間が長くかかることもあり、「もっと短時間で加熱できる、電子レンジ向け包材を開発して欲しい」という要望が、大手食品メーカーから寄せられました。
当時、冷凍食品を電子レンジで加熱するには容器に移したり、袋に孔をあける必要があるなど、手間がかかるのが一般的でした。

それならば、袋のまま電子レンジで加熱すれば時間も短縮でき、手間も省けるのではないか、また冷凍できる食品の種類も増えるのではないかという発想の下、総力をあげての開発が始まったのです。

冷凍食品業界に旋風を起こした「レンジDo!」

「サンシール」の技術を生かした製品開発

高い密封性を保ちながら、簡単に剥がせる『サンシール』の技術力を応用することは思いついたものの、 電子レンジ用包材の開発経験もないため、多くの課題が山積みされました。
蒸気を自動的に逃がすのに最適な構造は、蒸気ロの位置は、固形だけでなく液状食品に対応するには、 安全性は、蒸らし効果で食品をさらに美味しくするには。様々な内容物を想定し、食品を充填し、冷凍しては加熱する毎日。カレーでの試験では、1日に何十食も加熱するなど、カレー漬けの毎日が続き、匂いを嗅ぎ続けたことで、大好きなカレーが食べられなくなったという研究員もいるほどでした。
このような地道な努力と独自の技術力により、開発からわずか1年後、業界に先駆け、袋のまま電子レンジで 加熱できる『レンジDo!』が完成しました。

その後、改良を重ねた結果、2000年にはレトルトパウチ強度規格を国内で初めてクリアーした“T型レトルト用”が登場。近年では『レンジDo!』の技術を応用し、顧客と共同で電子レンジで簡単に圧力調理が出来る商品や、豚チャーシューが作れる商品などを開発しています。 今後も、時代のニーズにマッチした、進化し続ける包材を開発し、業界を牽引して参ります。

「サンシール」の技術を生かした製品開発

バイプロテープ
開発秘話

新型コロナウイルス対策商品『バイプロテープ』

2020年初旬、隣国で新型コロナウイルスが発生し、新型コロナウイルスと共存する生活が始まりました。当社の技術で新型コロナウイルス対策商品の販売ができないかと考え、ウイルスを減少させる抗菌・抗ウイルステープのバイプロテープが商品化されました。

この抗菌・抗ウイルステープは、実は2019年秋頃より企画していました。きっかけは、抗菌・抗ウイルステープを貼るとその場所は菌やウイルスのリスクが大幅に減少する、それを使えば「簡易無菌室が出来るのではないか」と考えたことです。医療が未発達な地域で役に立ちたいとイメージ先行で打ち合わせが進み、これはサンエー化研が得意な技術で作れる製品かもしれないと思い、抗菌・抗ウイルステープの開発がスタートしました。

新型コロナウイルス対策商品『バイプロテープ』

素早い効果と使い易さを求めて、
何度も試行錯誤を重ねた開発。

ウイルスはエンベロープという膜が有るものと、無いものの2種類に分けられます。前者はインフルエンザウイルスやコロナウイルス、後者はノロウイルスが代表的です。これら両種のウイルスが30分で99.9%減少する、素早い効果と使い易さを目標に製品開発を進めました。最初の試作品では99.9%ウイルスが減少するまでに24時間掛かる試作品ができました。この試作品のテープを社内に配りアンケートを取りました。社内からは、「そんなものは不要」「24時間後では遅すぎるのでは」「効果が目に見えないし、いらないよ」など、厳しい意見を多くもらいました。悔しさを胸に改良を進めるも、早くウイルスを減少させるという壁にぶち当たりました。この壁にぶち当たってから数か月間、営業、技術の関係者が多くの資料を読み、情報交換をいつも以上に行い、様々な試行錯誤を行いました。何度も何度も抗ウイルス性能の検査を行い、ある日検査機関の方から電話が来ました。電話に出てみると「30分で99.9%ウイルス減少する試作品が出来上がりました」との連絡でした。その瞬間「よしっ」と携帯電話を握って思わずガッツポーズをし、仲間と喜びを分かち合いました。

医療業界だけでなく、
学校や家庭にも確かな安心を届けたい。

2020年2月頃より日本にも新型コロナウイルスが入ってきて、緊急事態宣言が発令されるなど、世の中がコロナに染まり、ウイルス対する意識が一変しました。そんな中で開発された抗菌・抗ウイルステープ。ウイルスから身を守る【ウイルスプロテクション/VIrusPROtection】この思いを込め、頭文字から製品名をバイプロと名付けました。

医療業界向け感染対策だけでなく、学校や家庭などのあらゆる場所を「バイプロする」。

日常私たちが触れるもの、そこに残ったウイルスからの接触感染を防ぐ。目に見えないからこそ、確かな安心を届けたい。ドアノブ、照明スイッチ、エレベーターのボタン、手すり、リモコンやテーブルなど、ウイルスが気になるところに簡単に貼れて30分で99.9%ウイルスが減少する安心安全な抗菌・抗ウイルステープ。私たちの思いをのせて発売開始した商品です。

医療業界だけでなく、学校や家庭にも確かな安心を届けたい。